節税を考え、個人事業を法人にするかどうかの判断材料として、その個人の所得税計算上の「課税される所得金額」があります。
所得税の確定申告書Bの「26」欄の金額です。
具体的に見てみると、
1 例えば、この金額が500万円だとすると、平成19年の税率で所得税は572,500円(※)。
※ 500万円 × 20% − 427,500円 = 572,500円
2 この所得金額500万円を法人のものと仮定。青色申告特別控除65万円が無くなり、所得金額は565万円。
そこからその個人に565万円の給料を支払ったものとすると、法人の所得は0円、個人は給与として565万円の収入になります。
所得税を計算する際、給与の場合、給与所得控除というものがあり、給与565万円なら給与所得控除後の金額は398万円。
ここから所得税を計算すると、368,500円(※2)になります。
※2 398万円 × 20% − 427,500円 = 368,500円
1、2の比較では、2の方が所得税が204,000円少なくなります。この比較方法では、所得金額が大きくなればなるほど、この差も大きくなります。
ただし、法人にすると、税理士報酬等の新たなコストが発生する等、そう単純には比較出来ない面もあります。
が、上記の例よりも所得金額が多いのであれば、法人成りのメリットはあるでしょう。
「今現在、個人事業ですが、法人にした方がいいですか?」というような質問をたまに受けます。
法人成りの判断の目安はいろいろありますが、一つに消費税の納税義務があります。
個人事業で売上高が年間1千万円を超えると、その翌々年に消費税の課税事業者になります。
ここが法人成りのタイミングの一つです。
その課税事業者になる直前に、資本金1千万円未満の法人を作れば、さらに2年間、消費税の課税事業者を先延ばしすることが出来ます。
例:
1 個人事業のまま継続
平成17年 売上高 1,050万円・・・個人事業として消費税免税
平成18年 売上高 1,050万円・・・同上
平成19年 売上高 1,050万円・・・消費税の課税事業者
簡易課税、サービス業だとすると、消費税の納税額は25万円(※)。
※1,050万円 × 5/105 ×(1−0.5)= 25万円
以後
平成20年 売上高 1,050万円・・・消費税の課税事業者、納税額25万円
平成21年 売上高 1,050万円・・・消費税の課税事業者、納税額25万円
・・・
2 平成18年の12月に法人成り
平成17年 売上高 1,050万円・・・個人事業として消費税免税
平成18年 売上高 1,050万円・・・同上
法人成り、個人事業廃止
平成19年 売上高 1,050万円・・・法人として消費税免税
平成20年 売上高 1,050万円・・・同上
平成21年 売上高 1,050万円・・・消費税の課税事業者、納税額25万円
・・・
上記1、2の比較では、平成19年20年の計50万円分、2の方が消費税が節約になっています。
この場合は、法人成りすることで発生するコスト(法人設立費用、税理士費用等)と、上記の節税額との比較で法人成りを判断すればよいです。
8月21日に町田市役所で「国税相談」の相談員を担当してきました。
予約状況は6枠すべて埋まっていましたが、2組キャンセルで4組の相談を受けてきました。
いずれも、結構込み入った相談でした。
今日は、その相談内容のうち、相続で取得した土地建物を譲渡したときに、是非思い出して欲しい特例を紹介します。
「相続税の取得費加算」という制度です。
制度の概要は、相続で取得した土地建物を、相続から3年以内に譲渡した場合には、相続のときに納めた相続税のうち、その土地建物に対応する金額は、譲渡所得の取得費に加算できるというものです。
要するに、この制度を利用すれば、譲渡所得の所得税が節税になるということです。
頭の片隅に覚えておきましょう。
国税庁タックスアンサー
「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
昨日は、町田商工会議所の所得税の決算相談会の相談員でした。
よく見かけるのですが、やはり、ちょっともったいないな、と思ったことがありました。
それは、エクセル等で損益を整然と集計しているのに、青色申告特別控除が10万円しか受けられない方です。
複式簿記になっていないので、10万円の控除になっていしまいます。
複式簿記で帳簿をつければ青色申告特別控除額は65万円になります。
税額でどの位差がつくかというと、所得税のみの比較で、課税対象所得が330万円以下の方であれば、税率が10%で5万5千円(※)、税率が20%になる方は11万円、30%になる方は16万5千円の差になります。
※(65万円−10万円)×10%=5万5千円
これに住民税等も絡んでくるので、その差はもっと大きくなります。
解決策としての提案は、やはり会計ソフトの導入なのですが、大森会計では「やよいの青色申告」をお勧めしています。
下記リンクから、体験版がダウンロードできます。
★
実際に、導入先では、使い勝手の良さと、おまけに経理が明確になると、評判は結構いいです。
実売価額は1万円を切っています。
上記の節税額との比較でしっかり元はとれますので、お勧めです。
会計ソフトも安くなったもんです・・。
平成18年もそろそろ大詰めを迎えました。
株式投資をされている方は損益状況はいかがだったでしょうか?
今日は私みたいな「にわか投資家」の方に保有株式はそのままで節税できるかも!という話です。
平成18年分については、あと10日ほど限定の話です!
節税なので、すでに儲けが出ているのが前提になります。
株式の売買損益は売って初めて実現します。売る前は「含み益」または「含み損」の状態です。
その「含み損」のある株式は売って、実際の損失として実現してしまいましょう。
で、もし、まだその株式を保有し続けたいのなら、すぐ買い戻しましょう。
これで、保有株式はそのままで株式の譲渡益に対する所得税等を節税できます。
例:
特定口座で通算の売買益が40万円発生している。(40万円の10%、4万円の所得税等が源泉されています。)
実は100万円で買ったが70万円まで値が下がって30万円の含み損がある株式を保有している。
この株式を売却すれば、30万円の損失が実現し、通算の売買益は10万円となり、所得税等は1万円になって3万円の節税になります。
その株式を保有し続けたければ、すぐ買い戻せばいいのです。
個人事業者の減価償却について節税のチャンスがあるのでお知らせします。(ただし、18年はもう間に合わないので、19年からになりますが・・)
皆さんは減価償却資産の償却方法の選定・届出をしましたか?
していないのであれば、すべての減価償却資産について「定額法」で償却していると思います。
特殊な場合はちょっと横に置いといて、この償却方法は、平成10年4月1日以後に取得した建物と無形固定資産以外は「定額法」と「定率法」のどちらかを選択することが出来ます。
「定額法」とは、毎年の償却費が同じになる償却方法で、「定率法」とは、初期に償却費を多くし、年が経過するに従って償却費が一定に割合で逓減していく償却方法です。
と、今書いたように、「定率法」は初期に償却費を多くすることができるので、将来の経費を先取りして今の所得税を少しでも少なくしたいと思うのであれば、償却方法を「定額法」から「定率法」に変更することをお勧めします。
償却方法の変更をしようとする場合には、その変更しようとする年の3月15日まで(19年分から変更しようと思うなら19年3月15日まで)に申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなくてはなりません。
どの位の効果かといえば、例えば300万円の普通自動車(耐用年数6年)を例にとると・・
1年目の償却費は
定額法の場合 300万円×0.9×0.166=448200円
定率法の場合 300万円 × 0.319 =957000円
その差は 508800円 になります。
今年も残すところあと2ヶ月となりました。
個人事業者の方は、確定申告に備えて、そろそろ領収証等の整理を始めた方がいいのではないでしょうか?
年末年始はバタバタしますから、その前の今がチャンスです!
ところで、昨年平成17年分の申告から正規の簿記の場合の青色申告特別控除額が55万円から65万円に引き上げられ、あわせて簡易簿記の場合の青色申告特別控除額が45万円から10万円に引き下げられました。
正規と簡易の差が10万円から55万円に拡大しました。
昨年は改正後初年度で正規の簿記の帳簿付けが間に合わず、泣く泣く10万円の控除を選んだ方も結構いたんではないでしょうか。
今年分はまだ間に合います!
今からでも正規の簿記にチャレンジして65万円の控除を受けましょう!
なお、正規の簿記にするには、会計ソフトの導入(1万円位で買えます)と専門家に指導を仰ぐのが一番の早道です。
個人事業一年目の方へ・・
事業一年目は、いろいろ物入りですし、売上はそんなに伸びないかもしれません。
場合によっては赤字ということもあるでしょう。
赤字であれば、当然税金の心配もないので経費の集計も雑になるかもしれません。
もしそんな考えでしたら、以下のアドバイスを参考にしてください。
「青色申告」の手続きはしましたか?
青色申告を選択している場合には、「純損失の繰越控除」という制度があります。
※純損失の繰越控除
事業所得などが赤字になり、純損失が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって、各年分の所得から差し引くことが できるというもの。(国税庁タックスアンサー)
一年目の赤字は、来年以降の黒字から差引くことができます。
ので、一年目は、赤字の見通しであっても、経費を細かく拾って、少しでも赤字額を大きくして申告しましょう。
そうすれば、来年の所得税が少しは少なくなりますよ。
そろそろ年末も視野に入ってきましたが、新たに住居を購入して、所得税の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けようと思っている方にアドバイスです。
※住宅借入金等特別控除とは、住宅ローン等を利用してマイホームを新築や購入した場合で、一定の要件に当てはまるときに、その新築や購入のための借入金等の年末残高の1%を、その年以後10年間所得税額から控除してくれる制度です。
適用を受けるためには、適用を受ける年の12月31日までに居住していなくてなりません。また、適用を受ける年の12月31日の借入金の残高が計算の対象になってきます。
・12月31日までに引越していたけれども住民票を移し忘れていた。
・住宅ローンの許可が12月31日までに下りなかった。
よくある要件不備です。
上記の場合、住宅ローン控除の適用が受けられませんので気をつけましょう。
住宅ローン控除は要件が細かいです。
まだ年末まで3ヶ月あるのでしっかり要件を確認して早め早めに行動しましょう。
